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労務関係

雇用保険とは?担当者が知っておくべき加入条件や手続きをわかりやすく解説

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目次

雇用保険は、労働者が失業した際に生活の安定や再就職を支援するための制度です。

原則として、会社は労働者を一人でも雇った場合、その労働者を雇用保険に加入させなければなりません。

手続きが遅れたり不備があると、労働者との間でトラブルにつながる可能性もあります。

そのため雇用保険に関する手続きは、会社の経営者や担当者にとってとても重要な手続きといえます。

そこで今回は、雇用保険の意味や目的、押さえておくべき基本的な手続きなどについて、わかりやすく解説したいと思います。

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雇用保険とは?意味や目的について


雇用保険とは、簡単にいうと「労働者が失業した場合に備えて加入しておく公的保険」のことをいいます。

労働者が失業や、休業によって収入が無くなってしまった場合、経済的に大きな負担がかかります。

場合によっては、労働者自身やその家族の生活が成り立たなくなってしまう可能性もあります。

そのような経済的負担を軽減し、労働者の生活を安定させるのが、雇用保険の目的の1つです。

また、雇用保険には雇用の促進を図るという目的もあります。

失業した労働者が再就職するために、面接を受けたり資格を取得するには、お金が必要です。

そのため、全くお金がないと、就職活動を続けることも難しくなってしまいます。

そこで、労働者が安心して就職活動を続けられるよう、一定の金額を援助してサポートするのも、雇用保険の大きな役割の1つなのです。

このように、雇用保険は、労働者の生活の安定を図るとともに、再就職を支援し雇用の促進を図ることも目的としています。

雇用保険の3つの加入条件

会社で働く人であれば、誰でも雇用保険に加入するというわけではありません。

雇用保険に加入するのは、次の3つの要件をいずれも満たした労働者です。

  1. 31日以上引き続き雇用されることが見込まれること
  2. 1週間の所定労働j間20時間以上であること
  3. 学生でないこと

それぞれ詳しく解説をします。

1,31日以上引き続き雇用されることが見込まれること

「31日以上引き続き雇用されることが見込まれる」とは、雇用期間が31日以上ある場合や、期間の定めがない場合だけでなく、次のような場合も広く含まれます。

  • 雇用契約書や就業規則に雇用期間の更新をする旨の規定があり、31日未満で雇い止めをする旨が明記されていない場合
  • 雇用契約書や就業規則に雇用期間の更新をする旨の規定はないが、同じ事業所で31日以上雇用された労働者がいる場合

また、入社した時点では31日以上雇用する見込みはなかったが、その途中で31日以上雇用することが見込まれるようになった場合には、その時点で雇用保険が適用されます。

2,1週間の所定労働時間が20時間以上であること

ここのポイントは、「所定労働時間」であるということです。

所定労働時間というのは、雇用契約書や就業規則などで企業ごとに定められた労働時間のことをいいます。

そのため、繁忙期に1週間の労働時間がたまたま20時間を超えたとしても、雇用契約書に定められた所定労働時間が20時間未満の場合は、この要件を満たさないことになります。

なお、法律では労働者を1日8時間・1週40時間以上働かせてはならないとされており、この上限のことを法定労働時間といいます。

混同しないよう注意しましょう。

3,学生でないこと

原則として学生は雇用保険に加入することはできません。

ただ、ここでいう学生というのは、学校教育法第1条の学校に通う昼間の学生のことをいいます。

そのため、大学や高等学校の夜間学部や、高等学校の定時制の生徒は、ここでいう学生に含まれません。

担当者が知っておくべき雇用保険に関する基本的な手続き・届出


会社を設立した場合や、従業員が入社・退職した場合など、雇用保険に関するさまざまな手続きや届出が発生します。

そこで、会社の担当者が押さえておくべき、基本的な雇用保険に関する手続きや届出などを解説します。

労働保険保険関係成立届と概算保険料申告書

会社が労働者を一人でも雇い入れた場合、労働保険関係が成立するため、管轄の労働基準監督署、またはハローワークに「労働保険保険関係成立届」を提出しなければなりません。

ここでいう労働保険とは、雇用保険と労災保険とを合わせた総称です。

また、同じタイミングで、会社がその年度末までに、労働者に支払うであろう賃金総額の見込み額に保険料率を乗じた労働保険の概算保険料の申告・納付を行います。

概算保険料の申告・納付をする際に必要となるのが「労働保険概算保険料申告書」です。

「労働保険概算保険料申告書」の提出先は、管轄の労基署、都道府県労働局、日本銀行(代理店、歳入代理店(全国の銀行、信用金庫の本店または支店、郵便局)でも可能)です。

提出期限は、「労働保険保険関係成立届」が保険関係成立から10日以内、「労働保険概算保険料申告書」は50日以内となっています。

添付書類としては、法人の場合は登記事項証明書、個人事業主の場合は代表者の住民票が必要となります。

雇用保険の適用事業所設置届

会社が雇用保険の加入条件を満たす労働者を1人でも雇用した場合、原則として雇用保険の適用事業所となります。

この場合、会社は、管轄のハローワークへ「雇用保険適用事業所設置届」を提出する必要があります。

ただし、個人経営の農林水産業で、労働者が5人未満の場合は、任意加入の適用事業所となるため、雇用保険への加入義務はありません。

「雇用保険適用事業所設置届」は、加入対象者を雇い入れた日の翌日から10日以内に、事業所を管轄するハローワークに提出します。

添付書類として、次のものが必要になるので注意してください。

  • 法人登記簿謄本
  • 事業の開始を証明することができる書類(事業開始届など)
  • 労働保険関係成立届
  • 被保険者となる労働者全員分の「雇用保険被保険者資格取得届」
  • 労働者の雇用の事実が確認できる書類「賃金台帳など」

雇用保険被保険者資格取得届

会社が雇用保険の加入条件を満たす労働者を雇い入れたとき、または、労働条件の変更により加入条件を満たすようになったとき、「雇用保険被保険者資格取得届」を管轄のハローワークに提出します。

提出期限は、被保険者となった日の属する月の翌月10日までです。

例えば、10月5日に入社した従業員の場合、提出期限は11月10日までとなります。

添付書類は原則として不要ですが、労働保険料の納付状況が悪い場合や、過去に不正な処理などがあった場合は、ハローワークから追加の書類提出を求められることがあります。

提出が遅れた場合

手続きを忘れていた場合や必要な情報が揃わなかった場合などによって「雇用保険被保険者資格取得届」の提出が6ヵ月以上遅れてしまった場合、ハローワークから「遅延理由書」を求められることがあります。

「遅延理由書」について、書式は特に定められていないため、任意の形式のものを提出します。

なお、過去に遡って資格取得できるのは、これまで「2年前まで」とされてきましたが、法改正により、2年を超えて適用することが可能になりました。

この場合、給与明細等の書類により、雇用保険料が天引きされていたことを証明するための書類が必要となります。


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まとめ

雇用保険とは、「労働者が失業した場合に備えて加入する公的保険」です。

ただ、すべての労働者が加入するわけではなく、下記3つの加入条件を満たした労働者が対象となります。

  1. 31日以上引き続き雇用されることが見込まれること
  2. 1週間の所定労働j間20時間以上であること
  3. 学生でないこと

また、雇用保険に関する基本的な手続き・届出としては、

  • 労働保険保険関係成立届と概算保険料申告書
  • 雇用保険の適用事業所設置届
  • 雇用保険被保険者資格取得届

があります。

それぞれ、提出期限や添付書類などルールが定められているので、きちんと把握してスムーズに手続きがすすむようにしましょう。

雇用保険の加入手続きについてのご相談は、是非SATO社会保険労務士法人までお問合せ下さい。


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