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労務関係

LGBTQ+とは?人事担当者が押さえておくべき基本知識をわかりやすく解説

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近年、ダイバーシティ&インクルージョンが日本企業においても重要な要素として認識され、LGBTQ+に関連する取り組みを実施する企業が増加しています。

そのため、人事担当者にとってLGBTQ+に関する知識は不可欠となりつつあります。

性のあり方は個人によって異なりますが、個々の違いを尊重し、全ての従業員が働きやすい職場環境を築くことが、現代の人事担当者に求められている重要な役割となっています。

今回は、LGBTQ+とは何か、人事担当者が押さえておくべき基本的な知識について、わかりやすく解説します。

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LGBTQ+とは?


LGBTQ+とは、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称のひとつです。

この略語は、以下の言葉の頭文字を取っています。


L - レズビアン(Lesbian):女性同性愛者

G - ゲイ(Gay):男性同性愛者

B - バイセクシュアル(Bisexual):両性愛者

T - トランスジェンダー(Transgender):性自認が出生時に割り当てられた性別とは異なる人

Q - クイア(Queer)やクエスチョニング(Questioning):クイアは、規範的な性のあり方以外を包括する言葉として使われます。クエスチョニングは、性的指向や性自認について特定の枠に属さない人、またはわからない人を指します。


性のあり方はこれらの5つだけでなく、自身の性を男女いずれかに限定しないXジェンダーや、他者に恋愛的に興味関心を抱かないAロマンティック、性的指向が性別にとらわれないパンセクシュアルなど、個人によって多様です。

そのため、『LGBT』ではなく『LGBTQ+』とすることで、性の多様性を表現し、性的マイノリティに対する配慮を示しています。

このように、LGBTQ+は多様な性的アイデンティティを包括し、性的マイノリティの尊重と理解を促進するための重要な言葉です。

人事担当者が押さえておきたいポイント

多様性の尊重

LGBTQ+社員は、多様性を尊重し、異なるバックグラウンドや経験を持っている従業員の一部です。

しかし、職場で働きづらさを感じている方も多く、相談先がないことが多いのも事実です。

多様な人材が活躍できる職場環境を整えることは、企業全体で行うことはもちろんですが、採用や雇用に特にかかわる人事担当者がLGBTQ+について理解を進めることはとても重要です。

社員がLGBTQ+だからといって、特別な扱いをする必要はありません。

しかし、LGBTQ+当事者も非当事者も、全員が多様性を受け入れる職場環境を作ることで、創造性や生産性が高まり、労働力全体の向上を図ることもできるのです。

法的要件の遵守

多くの国や地域では、性的指向や性自認に関する差別を禁止する法律が存在します。

日本においては、「LGBT理解増進法案(LGBT法案)」が2023年6月16日に国会で可決され、23日に公布・施行されました。

人事労務に関係する事業主の義務としては、第6条と第10条第2項において定められています。

人事担当者はこれらの法的要件を理解し、遵守する必要があります。


また、LGBTQ+当事者は、性的指向や性自認に関する差別的な言動、いじめや暴力などの精神的・肉体的な嫌がらせである「SOGIハラスメント」や、カミングアウトを受けた人が本人の意に反して他人にその人の性的指向や性自認を明かしてしまう「アウティング」など、直面する問題があります。

LGBTQ+当事者を支援し受け入れる職場環境を整備することで、このようなSOGIハラスメントやアウティングを防ぐことができます。

参照;内閣府HP 性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進より

性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律 (cao.go.jp)

LGBTQフレンドリーな職場環境を整備しましょう

LGBTQフレンドリーとは、性的マイノリティの人々に対して偏見や差別することなく、平等に友好的な関係を築こうとする態度を指します。

企業として、LGBTQ+当事者を含む全ての従業員が働きやすい職場環境を整備するために、どのような取り組みを行うべきなのでしょう。

ポリシーとガイドライン

LGBTQ+に関するポリシーは、企業においてLGBTQ+当事者が職場で働きやすくなるようにするものです。

「性的指向や性自認にかかわらず、多様な人材が活躍できる職場環境を作る」を企業がポリシーとして掲げることで、LGBTQ+当事者と非当事者が多様性を尊重しながら仕事を進めることができます。


また、LGBTQ+に関連する差別やハラスメントを防ぐためのガイドラインを策定することで、採用・雇用管理において公正で公平な扱いを確保します。

正しい理解と知識を得るための教育

LGBTQ+当事者が働きやすい職場環境を作るためには、社員一人ひとりが性的指向や性自認について、正しい理解と知識を持つことが重要です。

これは経営層も対象外ではありません。

正しい知識を習得し深く理解することで、偏見や差別をなくし、尊重する企業風土を醸成します。

サポートの強化


LGBTQ+当事者が職場で働きやすくなるようにするためには、性的指向や性自認に関して会社に相談できる先があることが大切です。

そのため、相談窓口を設けたり、相談専用の担当者をつけたりと、性的マイノリティに対する豊富な知識を有した人を配置する体制が必要です。

性的マイノリティに関する相談内容は多岐にわたるため、相談者のプライバシーや個人情報の保護はもちろん、カウンセリングの専門家など外部との連携も視野に入れてサポート体制を整えると、LGBTQ+当事者が一層安心して働くことができる環境整備がおこなえるのではないでしょうか。

また、同性パートナーシップを対象とした福利厚生を充実させるなど社内制度を見直すことも、LGBTQ+当事者に対するサポート強化となります。

法律や労務の観点に注意しながら、自社に合わせて柔軟に対応させましょう。

厚生労働省のHPでは、職場における性的マイノリティに関する取り組みについて参考事例を紹介しています。

これらの事例を参考に、自社の状況に合わせてまずは取り組みやすいものから着手してみましょう。

参照;厚生労働省HP 性的マイノリティに関する企業の取り組み事例のご案内 (mhlw.go.jp)

#まとめ

現代社会において、多様性を尊重し包括的な社会を実現することが求められています。

これは企業にとっても同じです。

企業の多様性戦略において、人事担当者の理解と学習は不可欠です。


人事担当者がLGBTQ+についての基本知識を持つことは、企業のダイバーシティ&インクルージョンを促進し、法的要件を遵守する上で不可欠です。

人事担当者は積極的に学習し、LGBTQ+社員のニーズに応える方法を見つけ、LGBTQ+当事者も非当事者も多様性を尊重しながら働ける環境整備を図りましょう。

これは、企業全体の成功につながるでしょう。


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