国民年金第3号被保険者関係届の手続きと書き方のポイント
従業員が結婚した場合、結婚相手は国民年金第3号被保険者に該当する可能性があります。
このとき、会社は「国民年金第3号被保険者関係届」という書類を作成し、年金事務所に届け出なければなりません。
逆に、従業員が離婚した場合や、配偶者が死亡した場合などにも、この手続きが必要となります。
今回は、国民年金第3号被保険者関係届の手続きの内容や、書き方のポイント・注意点などについて解説をしたいと思います。
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国民年金第3号被保険者関係届とは?
厚生年金に加入している従業員の配偶者が、国民年金第3号被保険者に該当するようになったとき、または、該当しなくなったとき、事業主は管轄する年金事務所に届け出をしなければなりません。
このときに必要となる書類が「国民年金第3号被保険者関係届」です。
以前、第3号被保険者関係届は、第3号被保険者が自分で居住地の市町村役場に届出をしていましたが、届出洩れを防止するという目的で、平成14年4月から第2号被保険者の勤務先の事業主が手続きをする取扱いになりました。
国民年金第3号被保険者とは?
どういう配偶者が、国民年金第3号被保険者に該当するのでしょうか。
第3号被保険者とは、厚生年金や共済組合に加入している会社員や公務員に扶養されている配偶者であって、20歳以上60歳未満の方のことをいいます。
扶養されている配偶者というためには、年間収入が130万円未満であって、かつ、被保険者の収入の2分の1未満(別居の場合は仕送り額より少ない)であることが必要です。
第3号被保険者は、保険料を自身で負担する必要はありません。
負担しなかった期間についても、保険料納付済期間として、将来の年金額に反映されます。
国民年金第3号被保険者関係届の手続きが必要になるケース
国民年金第3号被保険者関係届は次のようなケースで提出が必要です。
- 厚生年金に加入している従業員が結婚して、配偶者が国民年金第3号被保険者に該当した場合
- 厚生年金に加入している従業員が離婚して、配偶者が国民年金第3号被保険者に該当しなくなった場合
- 国民年金第3号被保険者の収入が基準以上に増加し、扶養から外れる場合
- 国民年金第3号被保険者が死亡した場合
- 国民年金第3号被保険者の氏名・生年月日・性別の変更が必要になった場合
なお、国民年金被保険者が死亡した場合や、氏名・生年月日・性別が変更になった場合については、事前にマイナンバーが登録されていれば、本届出は不要です。
国民年金第3号被保険者関係届の手続きの流れ
国民年金第3号被保険者関係届の基本的な手続きの内容は次の通りです。
必要書類 | 国民年金第3号被保険者関係届 |
目的 | 国民年金第3号被保険者になるための届出 |
提出先 | 事業所を管轄する年金事務所 |
提出期限 | 自由発生から14日以内 |
添付書類 | ・戸籍謄本や住民票など続柄の確認のための書類 ・課税証明書や離職票など年間収入が130万円未満であることを確認するための書類 |
なお、協会けんぽ加入者で、既に「健康保険被扶養者(異動)届/国民年金第3号被保険者関係届」によって届出を行っている場合は、本届出は不要です。
海外居住の場合の特例
令和2年4月から、日本国籍・外国籍を問わず、被扶養者として認定されるためには「国内に居住していること」が必要となりました。
そのため、海外に在住している配偶者は、原則として被扶養者として認定されず、第3号被保険者として届け出ることはできません。
ただし、海外居住特例に該当する場合は例外的に被扶養者になることができます。
配偶者が海外居住特例にあたるのは次のようなケースです。
- 外国に赴任する被保険者に同行する配偶者
- 被保険者が海外に赴任している間に当該被保険者と結婚した配偶者
- その他の事情を考慮して日本国内に生活の基盤があると認められる者
海外居住特例により第3号被保険者関係届を提出する場合は、海外赴任辞令など、その事実を証明するための書類を添付しなければなりません。
国民年金第3号被保険者関係届の書き方のポイント
国民年金第3号被保険者関係届には、第3号被保険者のマイナンバーまたは基礎年金番号を記入しなければなりません。
マイナンバーを記入した場合、住所の記入は省略することが可能ですが、基礎年金番号の場合、住所の省略はできません。
マイナンバーが提出された場合、会社は、ただ受領して年金事務所に提出するのではなく、本人確認書類によって、間違いがないかよく確認をするようにしましょう。
マイナンバーは様々な行政サービスと結びついている、重要な個人情報です。
第3号被保険者から提出されたときは、会社は絶対に漏洩させないよう慎重に扱いましょう。
まとめ
厚生年金に加入している従業員の配偶者が国民年金第3号被保険者に該当するようになった場合や、逆に該当しなくなった場合、会社は「国民年金第3号関係届」を管轄の年金事務所に提出しなければなりません。
この届出が必要になるのは、主に従業員が結婚したり離婚した場合ですが、その他にも、配偶者が死亡したり、扶養から外れた場合にも手続きが必要となります。
経営者や担当者としては、どういう場合にこの手続きが必要になるのか、しっかりと整理しておくことが重要です。
提出期限は事由の発生から14日以内となっているので、従業員から報告を受けた場合は、速やかに手続きをするようにしましょう。
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