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傷病手当金の待期期間とは?有給休暇を使うことはできる?

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傷病手当金の支給を受けるためには、連続3日間の待期期間を経る必要があります。

しかし、待機期間中に傷病手当金は支給されないため、この期間、被保険者は無収入となってしまいます。

そこで、この期間に有給休暇を使用し、無収入期間を埋めようと考える被保険者の方もいるかと思います。

そこで今回は、そもそも待期期間とは何なのか、有給休暇を使用することは可能なのか、等について解説をしたいと思います。

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傷病手当金の待期期間とは?


傷病手当金の待機期間とは、傷病手当金の支給を受けるための条件(支給要件)の1つで、「3日間の連続した休業期間」のことをいいます。

傷病手当金は、ケガや病気などで療養のため仕事ができなくなった場合に支給される給付金ですが、仕事を休んだらすぐにもらえる、というわけではありません。

まず、連続して3日間仕事を休み、その後、4日目以降も仕事ができない日がある場合に、その日について支給されます。

この連続した3日間の休業のことを「待期期間」といい、3日間の待期期間が経過することを、「待期完成」といいます。

待期完成していることが、傷病手当金の支給要件の1つなのです。

待期期間が支給要件とされている理由

では、なぜ待期期間が傷病手当金の支給要件とされているのでしょうか。

この理由については、「仮病による傷病手当金の申請を防止するため」とされています。

待機期間中は、仕事ができないため原則として給与の支払いを受けられず、また、傷病手当金も支給されないため、基本的に無収入となってしまいます。

「3日間も無収入になってしまうリスクを冒してまで、仮病で傷病手当金を申請する人はいないだろう」という想定で待期期間が設定されているのです。

傷病手当金の待期期間に有給休暇を使うことはできる?

待機期間中は、仕事をすることはできませんが、会社から給与の支払いがあったかどうかは問われません。

そのため、待機期間中に有給休暇を使うことは可能です。

待機期間中は傷病手当金は支給されませんので、有給休暇を待機期間中に使用すれば、収入のない期間を埋めることが可能です。

また、待期期間には、通常の勤務日だけでなく、土曜日や日曜日などの法定休日や、会社で独自に定められている所定休日なども含まれます。

傷病手当金の支給開始後に有給休暇を使うとどうなる?

待機期間中は有給休暇を使用することが可能です。

ただ、傷病手当金の支給が始まったあとに、有給休暇を使用すると、その日については傷病手当金が支給されないので注意しましょう。

傷病手当金は、ケガや病気などで仕事ができず収入が途絶えてしまった被保険者の生活を支えるための制度です。

そのため、有給休暇等で会社から報酬が得られる日については、原則として傷病手当金は支給がされないのです。

待期期間の注意点は?

待期期間は、ケガや病気の療養のために3日間連続で仕事を休んだ日のことをいいます。

そのため、途中で1日でも仕事をした場合は、待期完成とはならず、傷病手当金は支給されません。

例えば、ケガや病気の療養のため連続2日間仕事を休んだ後、3日目に仕事をしてしまった場合は、連続3日の休業とはならず、待期完成とはなりません。

実際にオフィス等に出社したかどうかは関係がありません。

在宅ワーク等の場合でも、3日以内に行ってしまうと、待期完了とならなくなってしまうため、注意しましょう。

その他の傷病手当金の支給要件

傷病手当金は、健康保険の被保険者が次の要件を満たした場合に支給されます。

  • 業務外のケガや病気による療養のため仕事ができなくなっていること
  • 待期期間を含めて4日以上仕事を休んでいること
  • 給与の支払いがないこと

通常の給与の支払いがある場合は、傷病手当金は支給されません。

しかし、給与が一部しか支払われないなど、傷病手当金の額よりも少ない場合には、その差額が傷病手当金として支給されます。

このように、待期期間以外にも満たさなければならない要件があるので注意しましょう。

傷病手当金の支給金額と支給期間

傷病手当金は、1日単位で支給されます。

1日あたりの傷病手当金の支給金額は、次の計算式で算出します。

支給開始日以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)

支給開始日は、初めて傷病手当金が支給された日のことをいいます。

また、標準報酬月額とは、従業員が会社から受け取る報酬を一定の範囲ごとに区切った区分のことで、社会保険料算定の基準となります。

上記の計算式から、1日あたりの傷病手当金の支給金額は、おおよそ従業員の1日の給与の3分の2相当となります。

また、傷病手当金の支給期間は、支給開始日から通算して1年6ヵ月までとなります。

支給期間は通算することが可能なため、途中で復職した期間がある場合には、その期間は支給期間から除かれ、繰り越しとなります。

傷病手当金の申請方法・必要書類など


傷病手当金の申請は、通常、療養後に行います。

ただし、長期間休養が必要になる場合には、事業主の給与の支払いを受けていないことの証明が必要となるため、1ヵ月単位で申請するのが一般的です。

傷病手当金の申請方法は下記の通りです。

必要書類健康保険 傷病手当金支給申請書
目的傷病手当金を申請するため
提出先協会けんぽ都道府県支部、または健康保険組合
提出期限終了不能日の翌日から起算して2年間
添付書類2回目以降の申請では不要
外相の場合は「負傷原因届」
第三者が原因の負傷の場合「第三者の行為による傷病届」
マイナンバーを記入した場合「本人確認書類貼付台帳」

また、申請書には事業主や被保険者だけでなく、担当医師が治療内容や医学的所見などを記載する必要があります。

原則として医師の証明がない申請書は受け付けてもらえないので注意しましょう。

また、組合健保に加入している事業所の場合、健康保険組合ごとに申請ルールが異なる可能性があるので、事前に問合せをするとよいでしょう。

新型コロナに係る場合は医師の証明がなくても申請できます

新型コロナウイルスの感染拡大にともない、医療従事者への負担の急増が問題になっています。

そこで政府では、暫定的な措置として、令和4年8月9日以降の新型コロナ感染に係る傷病手当金の申請については、医師の証明を不要とする取扱いをしています。

医師の証明に変わって、事業主による当該労働者が就労不能であったことを証明する書類を付ければ、申請は受け付けられます。

ただし、この措置はあくまで暫定的なものであり、今後の感染状況によっては、通常どおり医師の証明が要求されるようになる可能性があるので注意しましょう。


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まとめ

傷病手当金の待期期間とは、傷病手当金の支給要件の1つであり、連続3日間の休業期間のことをいいます。

待期期間は3日間連続しておかなければならず、途中で1日でも仕事をしてしまうと、傷病手当金は支給されません。

待期期間には、所定休日や法定休日だけでなく、有給休暇が含まれていても問題ありません。

待期期間に有給休暇を使えば、無収入期間を埋めることができ、スムーズに傷病手当金を受けることが可能です。

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