令和5年、健康診断情報(40歳未満)がマイナポータルで確認・閲覧可能になります
2022年(令和4年)11月9日、「第2回 40歳未満の事業主健診情報の活用促進に関する検討会」が行われました。
この検討会では、40歳未満の事業主健診(健康診断・健康診査)の情報をいかに活用し、生活習慣病の予防や健康づくりに役立てるかが議論されました。
現在政府では、2023年(令和5年)に、40歳未満の健康診断情報・健康診査情報をマイナポータルで確認できるよう、システムの整備をすすめています。
今回の検討会では、それに向けて、周知の方法や効率的な情報共有を行うための取組み等について、意見がとりまとめられました。
会社の担当者としては、今後、健康診断時に従業員から説明を求められることがあるかもしれません。
来年の実施に向けて、最新の情報を常にキャッチしておきましょう。
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2023年(令和5年)に健康診断情報がマイナポータルで確認可能に
現在政府では、2023年(令和5年)中に、40歳未満の健康診断情報がマイナポータルで確認できるよう、システムなどの整備をすすめています。
マイナポータルで健康診断情報が閲覧できるようになれば、対象者が自らの身体の異変に気付き、疾病予防や早期の医療機関受診につながることが期待されています。
また、自分の生活習慣の問題点に気付きやすくなるため、自ら改善に取り組むことが期待されます。
ただ、40歳未満の健康診断情報をマイナポータルに連携させるためには、検診項目の見直しや、システムの整備が必要です。
また、システムの運用コストなどについても、誰が負担するのか等、今後の課題も残っています。
健康診断情報をマイナポータルで確認する理由
そもそもなぜ、健康診断の情報をマイナポータルで確認する必要があるのでしょうか。
現在、日本では少子高齢化が急速に進み、深刻な労働力不足に陥っています。
他方で、日本人の平均寿命・健康寿命が年々延び続けており、今後は、高齢者が何歳になっても健康に生活できる環境づくりが不可欠となっています。
そのためには、生活習慣病の発症、さらには重症化や合併症等をいかに予防するかが重要です。
しかし、生活習慣病は自覚症状がほとんどないまま進行するケースが多く、ある日突然、狭心症や心筋梗塞など重い疾患を引き起こすことがあります。
そこで、健康診断結果をいつでもマイナポータルで確認できる状況を整備し、対象者自身が生活習慣の問題点に気付く機会を与えることで、疾病予防や早期受診につなげることが、今回の取り組みの目的なのです。
40歳未満の健康診断情報も対象となった理由
2021年10月から、既に特定検診の情報については、マイナポータルから閲覧・確認ができるようになっています。
特定検診とは、40歳から74歳までを対象としたメタボリックシンドロームに着目した検診のことをいいます。
では、なぜ今回、40歳未満の健康診断情報もマイナポータルで確認できる対よう対応を進めているのでしょうか。
生活習慣に関する状況について、政府の調査をみてみると、食習慣や運動習慣の改善について「関心がない」または、「関心はあるが改善するつもりはない」と答えた人の割合が、20代、30代が他の世代よりも高くなっていました。
そのため、生活習慣病の予防や健康づくりを図るためには、40歳未満についても、健康診断情報をマイナポータルで確認できる取組みが必要と考えられたのです。
事業主には労働者に健康診断を受けさせる義務があります
事業主は、常時雇用する労働者を雇い入れるとき、及び、雇い入れたあとは1年に1回、健康診断を受けさせなければなりません。
パートやアルバイトなどの短時間労働者であっても、常時雇用する者であり、かつ1週間の所定労働時間が社員の4分の3以上であれば、健康診断の対象となります。
健康診断の結果について、事業主は、健康診断個人票を作成し、原則として5年間はこれを保存しておかなければなりません。
また、常時50人以上の事業所では、健康診断後、遅滞なく定期健康診断結果報告書を管轄の労働基準監督署に提出する必要があります。
健康診断の項目に異常がある場合、事業主は、医師の意見を聴き、必要がある場合は就業場所の変更や労働時間の短縮などの措置を講じる必要があります。
まとめ
現在政府では、2023年(令和5年)に、40歳未満の健康診断情報がマイナポータルで確認できるよう、システムの整備など準備をすすめています。
この取り組みが実施されれば、従業員は自分で自己の症状などを確認することができ、生活習慣の改善に役立つことが期待されています。
ただ、情報の共有方法や、システムの運用や費用の問題など、まだまだ課題がありそうです。
来年実施されたときに混乱しないですむよう、会社の担当者は常に最新情報を入手しておきましょう。
この記事について、「もっと詳しく知りたい」「社労士に相談してみたい」という方は、ぜひSATO社会保険労務士法人にご相談ください。